モリモリ博士のソーラン教室

本ブログは学校教員向けです!児童/生徒さんへソーラン節を教える際の踊りのコツやソーラン節の歴史的背景などを紹介します!

初めてソーラン節を指導する先生が知るべき3つの心得!

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運動会・体育祭でソーラン節を教える先生にオススメ!

子どもたちに指導する前に知っていると楽になる3つの心得を紹介します! 

1.ソーラン節はパントマイムだ

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パントマイム?何それ?と思った方はまずこちらをご覧ください。

パントマイム:パントマイムは大道芸(ストリートパフォーマンス)としても多く見られる表現方法で、実際には無い階段エスカレータロープ風船などがあたかもその場に存在するかのように身振り手振りのパフォーマンスで表現する。単にマイムともいうことがある。

出典:Wikipedia

パントマイム - Wikipedia

つまりソーラン節をパントマイムと思えという理由は

「その場に存在するかのように身振り手振りのパフォーマンスで表現する」

ことが最も重要だからです!

一番勘違いをして欲しくないのは

踊り=振付を覚えて踊る”間違い”ということです。

私が1番目に言いたい心得は

「漁師の過酷な労働環境やなぜ労働するのかという想い」

を全身を使って表現する

ことがソーラン節なのです!

ズバリ、、、

  • 船を漕いで寒い北海道の海へ向かっていく姿
  • 重い網を漁師たちが一斉に手繰り寄せる姿
  • 故郷に残した家族のためにガッツリ稼いで帰るぞという出稼ぎ労働の想い

などを運動会で踊る子どもたち全員が意識できたときに

「運動会の会場にニシン漁の船は実際に存在しなくても」

「子どもたちの手に艪(ろ)※は実際に存在しなくても」

「大きな波しぶきや荒々しい波が実際に存在しなくても」

観ている先生たちや保護者さんの目に「ソーラン節の物語」が映し出されることが大切です!

その結果として多くの人の心を打つ、感動が生まれます!

※艪:艪(ろ)は、人力によって舟艇の推進力を得るための装置。

出典:Wikipedia

艪 - Wikipedia

2.ソーラン節は漁師の生き様を表現!

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1.にもつながりますがソーラン節を表現するには漁師の生き様を描くことが重要です。

特に漁師は男性の役目です。

民謡のソーラン節にも男性目線の歌詞が多く入っていてまさに男臭さが滲み出ています。

  • 男度胸なら五尺の体 どんと乗り出せ波の上
  • 今宵一夜はどんすの枕 明日は出船の波枕
  • 玉の素肌がしぶきに濡れりゃ 浮気カモメがみて騒ぐ

などは特に男性の姿や漁に行くまでの心の動きを描いています。

  • 男度胸なら五尺の体 どんと乗り出せ波の上

五尺は約150cm。当時の日本人は大柄な人が少なかったことが伺えます。

度胸をみせて荒々しい波の上にも勢いよく乗り出す姿を描いた歌詞です。

  • 今宵一夜はどんすの枕 明日は出船の波枕

ニシン漁は1回の漁で数億円(現代のお金に換算した場合)を動かすほどの巨大ビジネスとなっていました。当然、男性が集まるところには女性の夜のビジネスも盛んになります。

明日から漁に出るぞ!という前の晩。きっと漁に向けた気合い?をいれるためにも前の晩はお酒を飲むなどの時間を過ごしていたことでしょう。

そしてどんすの枕と呼ばれる絢爛豪華な枕がある女性のもとで一夜を過ごした訳です。漁に出てしまうと波が枕になるという面白い歌詞ですね。

  • 玉の素肌がしぶきに濡れりゃ 浮気カモメがみて騒ぐ

玉の素肌とは張りがあって美しく、清らかな素肌という意味なので女性の肌をあらわすのでしょう。海のしぶきに濡れた姿をみて、男性の心の中にある浮気心が生まれる情景を描いていますね。

つまりニシン漁は男性が英気を養う時間も重要で、かなり過酷な労働環境だったんです。

命をかけて出稼ぎに来ている男の気持ち

をしっかりと理解して踊って欲しいですね!

3.ソーラン節は生涯の財産となる!

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生涯の財産とは何か?

私はズバリ「多世代交流を実現させるコミュニケーションツール」と考えています!

なぜ多世代交流を実現できるかと言うとあらゆる世代でソーラン節に関わりを持つ日本社会だからです。

そもそもソーラン節が学校教育の場で盛んに踊られ始めたのは1990年台からです。

今の40歳代前半の方が小中学生の頃からです。(2020年現在)

おそらく踊り始めた世代は親となっていてその子どもたちが小中学生となっており、まさに今ソーラン節を踊っている頃ではないでしょうか。

親子ともにソーラン節を踊ったことのある時代となっているんです。

さらに私は約4年間、毎月1〜2回の頻度で介護施設でレクリエーションを担当します。

そこで70〜90代の高齢者さんに民謡のソーラン節を流すとみなさんが一斉に歌ってくれるのです。

現代風となったロック調のソーラン節(南中ソーラン)は知らなくても、民謡は多くの方が知っています。

30〜40代のソーラン節第一世代と考えると、その親たちはおおよそ50〜60代です。

このように考えてみると、ほとんどの世代が知っているのがソーラン節だと言えるのでは無いでしょうか。

つまりこんなにも世代を超えて認知度が高く、学校教育下で継続的に使われるソーラン節は多世代をつなぐ接着剤になると私は確信しています。

こんなにも多世代をつなぐ日本文化となっているソーラン節は本当に凄いなと思います!

 

以上!

 

3つの心得はいかがでしたか? 

きっと多くの先生たちも子どもたちも

”せっかく運動会で踊るんだから「上手に!」踊ろう”

”「みんな揃って!」一糸乱れなく動きで踊らせたい”

という気持ちを抱くことが多いと思います!

でも、この気持ちはゼロにしましょう!

何度も言いますがソーラン節は

  • 漁師の”過酷な労働環境”や”なぜ労働するのか”という想いを全身を使って表現すること

  • 命をかけて出稼ぎに来ている男の気持ちをしっかりと理解すること
  • 多世代を繋いでくれるコミュケーションを生む踊りであること

これこそが魅力なのです!

「ソーラン節はキツい動きだし踊るのがイヤだな」

ではなく

「みんなとソーラン節が踊れて楽しかった!」

の気持ちをつくることを念頭において指導をしていくことをオススメします。

もちろん「カッコよく!」「キレキレ!」で踊ることが楽しい子どもたちもいるので次回の記事から”技術指導”面についてを解説していきます。

学校現場でソーラン節を指導する先生への12年間ソーラン節指導をしてきたモリモリ博士からのお願いでした。

 

これからも少しでもタメになる情報を発信します!

次のブログ投稿もお楽しみに〜!

 

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